熱水土壌消毒とは
連作土壌病害虫対策・塩類集積土壌の改善に
高温の熱水を土壌に注入する消毒法です。注入された熱水は、地中を浸透してゆき、地温を上げます。 土壌中に生息している病原菌や有害線虫、害虫、雑草 種子等は、熱の力で死滅します。比較的低温でも長時間接触させれば、有害微生物は駆除できます。フザリウムの場合、65℃1分、50℃で8時間、45℃で48時間で死滅するといわれています。
熱水土壌消毒の特徴
- 土中深部までの昇温が可能。
- 塩類集積土壌の除塩効果。
熱水土壌消毒の手順
(チューブ式の場合)
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STEP 01圃場を深く耕起
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STEP 02耕起後の圃場に分岐ヘッターを設置し、散水チューブを取付
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STEP 03等間隔に散水チューブを敷説
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STEP 04散水チューブの先端を固定
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STEP 05シートで圃場全体を被覆
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STEP 0690℃前後の熱水を連続供給
熱水土壌消毒の手順
(ウィンチ式の場合)
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STEP 01圃場を深く耕起
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STEP 02散湯機を設置
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STEP 03牽引ウィンチを設置
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STEP 04シートで被覆
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STEP 05湯漏れ防止対策
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STEP 06終了直後の様子
参考資料
蒸気消毒と熱水消毒の比較
使用機種 | 蒸気消毒 | 熱水消毒 |
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消毒方法 | 蒸気(120℃前後)をライトホースから放出し、密閉された被覆シート内で充満した蒸気が地中に浸透する。 | 90℃前後の熱水を、散水チューブより放出し、水の重力で地中に浸透させる |
熱注入方法 | 蒸気放出用ライトホースにより表層から下層に熱浸透させる | 散水チューブにより、広域にさみだれ散水を行なう |
投入水量 L / m2 | 15~18L / m2 | 150~200L / m2 |
地中への浸透度 | 地中20cm前後の消毒効果 | 地中30cm前後の消毒効果 |
20cm以下は土質や散水量により効果に差が生じる場合有り | 透水性の悪い圃場の場合、注入した熱水が浸透せず、表面に溢れてしまい、消毒効果が発現しにくい可能性がある | |
傾斜地でも均一に浸透する | 傾斜が弱ければ、ほぼ均一に浸透する | |
必要水源 L / 分 | 家庭用水道(15L / 分)で可 | 大容量の水源(70L / 分)が必要。水量が少ない場合、消毒時間がかかる |
消毒後の土壌 | 団粒構造を形成し、肥効が良くなる | 大量の水を散布するので、土質によっては乾燥までに数日を要する場合がある |
地温が常温に戻れば翌日でも定植が出来る | ||
消毒前後の注意点 | 肥効が良くなる反面、濃度障害がでる場合がある | 除塩効果が大きい反面、施肥設計は慎重にする必要がある |
除塩効果 | 除塩効果は少ない | 塩基集積土壌では除塩効果が高い |
熱水土壌消毒機
連作土壌病害虫対策、塩類集積土壌の改善に
- 各種安全装置により無人運転が可能です。
- 缶体内メッキ仕様のため、腐食に強く、サビ等による散水チューブの目詰まりの心配もありません。
- 消毒温度を任意に設定できます。
- 独特の缶体構造と温調装置により出湯温度・水量ともにバラつきがなく安定しています。
- 無圧開放型ボイラでの安全性が高く、ボイラの関係法規の適用や取扱い者の資格等一切不要です。
定置式タイプ(パレットにも固定できます)
自走式クローラタイプ
トラクター牽引タイプ