活用事例 蒸気管埋設法...末継花園様(第3回)
第3回 蒸気消毒導入後の改善点
平成18年くらいから丸文製作所内で、「蒸気消毒作業をもっと簡単に、省エネに対応した消毒方法を、」という問題意識の中しい消毒方法を開発していました。蒸気消毒作業はとにかく準備と後片付けが大変です(すみません)。蒸気の熱に負けない素材のートやらホースやら何やらかんやら、すべてのものが耐熱、耐圧なもので重たいのです。そんな大変な作業を少しでも軽量化できないか?という観点でmarubun商品は開発されていますので、ライトホースや水枕、被覆シート等丸文製作所オリジナルのアタッチメントは他社に比べると圧倒的に「軽い」です。それでもこれは他社さんと比べた「相対的な」話であって、そもそも作業が大変、という話の前ではまだまだ「絶対的に」努力が足りません。
そこで考え出された方法が、蒸気を通すパイプを土の中に埋めっぱなしにする、という方法です。蒸気が通る「穴」が目詰まりさえしなければ長期間の使用にも耐えられるはずです。
今回は、施工手順も含めご紹介していきます。
ステップ? 土を掘る
・埋設する管の太さ、耕す深さ、作業性などを考慮します。末継さんは25cm程度を目安にしています。
ステップ2 蒸気投入管を設置する
・蒸気投入管には、畝の長さに合わせて計算された蒸気噴出口が開けられています。
ステップ3 気相確保&目詰まり防止剤(末継さんの場合、ボラ土)を敷く
・埋設管の周りを蒸気噴出口が目詰まりしなしように目の粗いもので覆います。この素材は空気を良く含む素材を採用した方が蒸気消毒の効率が良いことが分かっています。末継さんの場合は、九州で手に入りやすく安価な「ボラ土」という軽石の風化物を採用されています。
ステップ4 埋め戻し
あとは埋設管を埋戻し、その後の蒸気処理に備えます。
という流れです。
この方法に変えることで、準備後片付けの手間が格段に減りました。
さらに消毒効果もアップしたことから青枯れ病の克服に目途が立ち、薬剤(クロールピクリン)では根絶することが出来なかった青枯れ病を克服することができました。
消毒時間は畝の状態にもよりますが1時間から1時間30分程度です。これは表面からの処理に比べてより深い25cm以上の深さの土層を処理できている、という点を考慮すると、60%以上の省エネになっている計算になります。手間を省けて、効果も高く、費用も安くなったということで、一石三鳥だったという訳です。